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『春子と小春』嶋田遊加

<あらすじ>

田舎で暮らす中学2年生の鈴木春子は、東京から転校してきた鈴本小春に「私たちって似てるね」と声をかけるが、「アンタみたいな芋女と一緒にしないで」と突き放される。この一言で田舎育ちにコンプレックスを抱いた春子は、家族や友人を避けて孤独に過ごすようになる。東京の大学に進学し都会での生活を楽しむも、友人との価値観の違いに疲れ、田舎への嫌悪感を募らせる。そんな中、地元が震源の地震が起こり、実家に帰省した春子は避難所で数年ぶりに家族と再会。温かさに感動するも「田舎者」と感じた瞬間に距離を取る。ボランティアとして物資配布をする小春と再会し、東京で再び会う機会を得た春子は、小春が以前とは違って自然や庶民的なものを好むことを知る。自分が捨てようとした「田舎らしさ」を受け入れ、自由に生きる決意をする春子。都会の友人や後輩と打ち解け、地元に帰省した春子は家族や友人の温かさを再認識するのだった。

 

作品は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。

 

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