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論 文

映像表現・理論 [理論・批評専攻]

大藪晴

『スパイク・リー論 ハリウッド映画と人種差別』

大藪晴

近年では、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)運動に象徴されるように、黒人が自らの立場から人種差別に対して声を上げ、それを表現することの意義が社会的に広く認知されつつある。こうした社会的動向はハリウッド映画にも波及し、黒人監が映画表現を通して人種差別の問題を告発・可視化する作品は、近年その存在感を一層強めている。本論考では、こうした潮流の先駆的存在として位置付けられるスパイク・リーの作品を中心に捉え、黒人監督によるブラック・ムービーの表象がいかに変容してきたのかを、歴史的変遷の中で検討する。
まず第1章では、ハリウッド映画草創期にあたるD・W-グリフィス監督の『國民の創生』(1915年)を起点として、白人監替によって形成されてきた人種差別映画の表象を整理する。その上で、スパイク・リーを含む黒人監督たちが、いかなる表象に対して抗議し、作品を提示してきたのか、その指標を明確にする。
続く第2章では、スパイク・リー作品『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)、『マルコム✕』(1992年)、『ブラック・クランズマン』(2018年)の3作を取り上げ、彼が白人中心のハリウッド映画界にもたらした黒人の主体性の表象と、現代の人種差別問題にも通ずる「同時代性」について分析を行う。
さらに第3章では、スパイク・リーの台頭以降に制作された人種差別映画として、『グリーンブック』(ピーター・ファレリー監督、2018年)および『ゲット・アウト』(ジョーダン・ピール監賛:2017年)を取り上げ、白人監督と黒人監督それぞれによって描かれる現代的な人種差別の在り方を比較・検討する。
以上を踏まえ、本論考の目的は、人種差別を主題とする映画表現において、黒人監督が保持すべき要素とは何か、また自人監督による人種表象の可能性およびその限界について、スパイク・リー作品が内包する「同時代性」を手がかりとして考察する。

タグ:

Drama, 4年

本文は日藝博期間中、江古田校舎でお読みいただけます。

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