top of page

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

樅山日向

『描いて』

樅山日向

福島出身の美大生・大槻凪沙(22)は、卒業制作のテーマを決められず、連絡が途絶えた幼馴染・横山直哉のトーク画面を開いては返事を待ち続けている。恋人の渡辺悠里と暮らす東京での日常は穏やかだが、凪沙は同級生たちの輪や「制作」に対してどこか拒否感を抱えている。ある夜、居酒屋のテレビに「福島で未成年へのわいせつ行為の疑いで男(22)逮捕」という速報が流れ、悠里は過去の被害の記憶から発作を起こしてしまう。  
凪沙は悠里を抱きしめ「大丈夫」と繰り返し、卒制の題材として地元の思い出の場所を描くため、悠里を連れて福島へ帰る決意をする。
福島では旧友の千紗と拓真が迎えるが、直哉の件を口にした瞬間、場が凍る。直哉は逮捕され、もう以前のようには戻れないのだと突きつけられる。凪沙の家庭も冷たく、母・和子は娘に無関心で、家さえ明け渡すよう告げる。凪沙は直哉と二人で夜景を見た信夫山へ向かい、直哉と再会する。彼は罪を背負いながらも凪沙の言葉に応じ、友人たちに会うことを承諾するが、居酒屋で直哉を見た悠里は「犯罪者」と叫び酒を浴びせ、恐怖で取り乱して店を飛び出す。残された凪沙は、愛する人と「家族のような幼馴染たち」の間で引き裂かれ、悠里は東京へ戻ってしまう。
一か月後、凪沙の卒制は真っ黒に塗りつぶされたキャンバスとなり、展示会では嘲笑される。再び信夫山の夜景の前で凪沙はスケッチを続け、悠里や幼馴染たちの“幻覚”に優しく肯定される。彼女は幸せな光景を描き上げ、その紙を胸に抱いて「やっと帰れる」と呟き、幻覚に導かれるように柵を越える。公園に残されたスケッチブックの最後のページには黒一色の絵だけが残っていた。

タグ:

Drama, 4年

本文は日藝博期間中、江古田校舎でお読みいただけます。

▶︎ このコースの開催企画

このコースの他の作品

清水暖

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

清水暖

『海風吹く中でわたしは生きる』

倉山瑠来

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

倉山瑠来

『ノット・マイホーム』

神倉杏

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

神倉杏

『ritta』

保谷健斗

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

保谷健斗

『ともしび』

中村虎太郎

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

中村虎太郎

『潮風の魔法屋』

李美月

シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

李美月

『憧れ』

映表理の

​上映日程​​

監撮録演の

​上映日程

nichigei-logo
映表理メルアド

お問い合わせ:

© 2026 日本大学芸術学部映画学科

bottom of page