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シナリオ

映像表現・理論 [シナリオ専攻]

樋口真彩

『明日の在り方』

樋口真彩

「あのときこうしていればよかった」
そうやって後悔することは何度もあるけれど
仮に時を戻して当時の自分に説得してもきっと同じ選択をしていた。
本作『明日の在り方』は、貝瀬有紀が送る一日の連なりを通して、「働くこと」と「生きる選択」を静かに問い直す物語である。 
昼はビジネスホテルのフロントスタッフとして的確で献身的に働き、夜はホテヘル嬢として客に笑顔を向ける二重生活を淡々と過ごしている主人公の有紀。そんな中、恋人である行人にプロポーズされる。有紀は嬉しく、プロポーズを快く受け入れる。
やがて、有紀の勤めるホテルがドラマ撮影のロケ地として使用されることが決まる。その現場で彼女は野中と再会、そして野中の元で美術見習いとして働く美月と出会う。過去にドラマ撮影のスタッフとして現場で働き、そして重圧に耐えきれず野中の元から逃げ出した過去をもつ有紀。撮影をきっかけに美月と親しくなり、関わっていた世界と再び接点を持つ。しかし野中との距離は埋まらずじまい。責任の重さに押し潰されそうになりながらも、慌ただしく混乱した現場の中で必死に食らいつこうとする美月の姿に、かつての自分を重ねながら過去と現在の距離を静かに意識する有紀。
長年募ってしまったお金に対する執着が心を乱される中、風俗を辞める決心をする有紀だが、性病にかかり、風俗の仕事が職場と行人にばれてしまう。自分のしてきたことが次々と身の上に降りかかってくる。
どこで選択を間違えたのか、
交差点で人の流れに身を置きながら、有紀は立ち止まり、自分がこれまで選んできた道を振り返る。そんな彼女の前に、野中が再び現れる。対峙する有紀と野中。2人はこれからの「明日の在り方」に思いを巡らせる。果たしてその答えとは。「正解のない生き方」と、それでも選び生き続けなければならない人間の在り方を静かに描き出し現代を生きるただの一人の女性の静かな選択と、その重さを描く。

タグ:

Drama, 4年

本文は日藝博期間中、江古田校舎でお読みいただけます。

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