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「ジャン・ルノワール論ーー作家主義と晩年の再考」二瓶 由海

<論文概要>

 本論文ではフランスの映画監督、ジャン・ルノワールの作品分析を中心として、彼のフィルモグラフィーと評価の移り変わりについて研究し、自らの視点でそれらの作品を捉え直すことを目的としている。

 ジャン・ルノワールは主に戦前の作品――『大いなる幻影』(37)や『ゲームの規則』(39)などの代表作を監督し、フランスで最も偉大な映画監督として称されることが多い。しかし、第二次世界大戦でハリウッドに亡命した後の後期の作品に対しても、戦前と同じように評価する声が多く、それらの評価はカイエ・デュ・シネマ誌に寄稿し、後にヌーヴェル・ヴァーグとして脚光を浴びる若き映画作家達による作家主義政策に端を発していると考えた。

 本論文では、ルノワールの一見輝かしい経歴やフィルモグラフィーに対して「呪われた映画作家」という表現を用いて疑問を投げかけた蓮實重彦の論考『ジャン・ルノワール論のために』を先行研究とし、全作品に触れ、相対化することによって今までの評価を再考することを試みている。


本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。

 

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