<論文概要>
映画監督・北野武は、現在に至るまで十九作品を製作した。北野作品の特徴としてよく挙げられるのがヤクザや暴力などだが、私は北野作品の〈間〉に大きな特徴を見出した。
そこで本論文では、映画内における拍と拍、動作と動作、台詞と台詞のあいだの時間的間隔、事象と事象のあいだの時間を〈間〉として定義し、その〈間〉が北野作品にどのような意味を与えているのかを考えていく。
第一章では北野作品における「暴力」と〈間〉の関係、第二章では、台詞や音楽などが排除されることによってもたらされる〈間〉を論じ、第三章では、北野作品における「お笑いの〈間〉」、そして北野作品の歩行シーンによってもたらされる〈間〉について論じる。第四章では、第一章から第三章で論じた〈間〉を踏まえ、北野が描く「生と死」について論じていく。
第一章から第四章までのそれぞれの〈間〉が持つ役割や意味を発見し、それにより、これまで先行研究などで論じられてきた北野武論とは異なる観点で、北野の魅力を見出すことが本論の狙いである。
本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。
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