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「ルキノ・ヴィスコンティのネオレアリズモ」上村 渚

<論文概要>

 ルキノ・ヴィスコンティの前期作品である、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』から『若者のすべて』までの計6作品を分析し、各作品の特徴を見出す。また、ネオレアリズモとの関係性も調査し、ヴィスコンティのリアリズムはどのように変化したのかを調査した。彼の独特な長回しは演劇に通じるものがあり、これが作品に荘厳な雰囲気を与えている。その一方で、登場する人物はネオレアリズモ作品に特有の社会的弱者である。この矛盾する二つの概念を調和させ、一つの作品としているところがヴィスコンティの最大の特徴である。理想化されていない等身大の人間を登場人物とし、社会との関わりを描写し、人間の本質を描くことがヴィスコンティの目標であったと言えるだろう。作品や舞台が違っても、ヴィスコンティの描いたリアリズムは「人間のリアリズム」であったと言える。


本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。

 

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