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『Villainism』柴田 陵太郎




人間を「ヴィラン」に変えてしまうドラッグが日常生活の隅に流行していた。突如襲われた青年はヴィランに殺されたはずが原因不明の復活を果たす。そんな彼にはとある事情があり、ヴィランとドラッグのある日常へ足を進めていくことになった。

 

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1 Comment


Guest
Mar 19, 2023

エンドクレジットを拝見するに技術的なスタッフが全くいない座組みでの製作だったのだろうと推測しますが、その結果がストレートに画面に現れていると思います。映像制作の仕事は理想(想定)と現実(スタッフ/予算)の擦り合わせの仕事と言っても過言ではなく、中・低予算規模の映画制作者たちは皆この「バジェットに合わせて企画の形態を柔軟に整える」ことが抜群にうまい人たちばかりです。むしろそれこそが商業映画監督の本質とすら呼べるかもしれません。

特に本作のように照明スタッフのほぼいない中で夜間撮影を成功させようとするのであれば、作り手がすべきだったのはキャラクターのコスチューム作りなどではなく、登場人物の設定や撮影手法の見直しも含めた演出方法のシェイプアップでしょう。例えば画面が暗すぎる問題は主人公をyoutuberか配信者にしてリングライト付きのカメラを持っている設定にすることである程度解消できたでしょうし、ファウンドフッテージ形式なら全編を一人称視点にして臨場感ある作品にすることもできた上に、収録音声の聞き取りづらさも演出に取り込むこともできました。「自分が本当に撮りたかったもの」をスクリーンに届けるために、予算/人材に見合った臨機応変な取捨選択をすること、それこそが本作のような作品のクオリティを上げるコツであろうと思います。

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