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『神様はなにも言ってない』佐野 優一

<あらすじ>

 加賀洋介は、医者の父・柊介と新興宗教の信者である母・美佐緒の間に生まれた宗教二世であった。美佐緒は洋介とともに『光明の会』の奇跡のワザ「手かざし」に勤しむ。薬を毒だと伝える教義に疑問を感じつつも家族を尊重する柊介は、口出しは最小限にとどめていた。

 高校生になった洋介は柊介の勧めで薬剤師を目指すことを決める。それを叶え薬科大学に進学し最終学年を迎えた洋介は、友人の克樹とともに国家試験合格を目指していた。一方加賀家では、夫婦間の諍いが絶えず、柊介は美佐緒の宗教の話と仕事の不満に疲弊していた。柊介が向精神薬を大量に服用するほどの状態であると知った洋介は、しかしどうすることもできず、その夏に柊介は死を選んだ。

 父の死を受けて、洋介は今まで信じていた宗教、それを盲信する母に疑問を持ち始める。近所のカフェ店員であるつかさや克樹にも助けられ、亡き柊介の思いを知り、宗教と美佐緒から離れる決意をする洋介。紆余曲折を経て離脱できた洋介だったが、ただ悲しみだけが残るのだった。


本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。

 

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