『食卓のいのち』赤城 悠加海に帰ってきた”食べ残しのシラス”は、今度こそ幸せになれるのか…!? ご感想はページ下部のコメント欄までお願いいたします。▷ 映像表現・理論コース [映像専攻] の映像作品 About 映像表現・理論コース
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主役となる食べ残しのシラスは死んでたのか?生きてたの?と、冒頭が1番なぞだったのですが、
ビーズを使った水の表現が素敵でした。
魚の口の動き、パクパクからの点がぐるぐる回るところに作者さんが魚をよく観察し、アニメ独自の表現に(しかもはじめてみる表現!)しているところが、これをみてよかったとおもえました。
個人的に魚があまり得意ではないのですが、それは彼らが死ぬ瞬間も死んだ後も生きている時と変わりない顔をしているからなのだなと本作を見て気付かされました。食卓から帰ってきたシラスが生還したことに特に喜びもせず再び網にかかり、ノーリアクションで食卓に流転する様は、劇中のビタッと固定して動かない海も相まってどこか熱にうなされてみる夢のようでもあり、中盤での同胞の死に涙を流してくれていたからよかったものの、あそこで彼が何も反応しなければ本格的に魚が嫌いになる所でした。
たとえ音声を消して観ても世界中の老若男女が理解するであろう平明性をこの作品は持っています。だからこそちょっとした違和感に観客は敏感に反応します。最初表現豊かだったビーズが水中では静止した背景のままであること(このような背景は一枚の素材を上下反転、左右反転すれば4枚の異なった素材ができるので、オーバーラップしたりしてうまく動かせるだけで表情が豊かになります)水中の正面のマスクが荒いこと(マスクの境界をボカすかもう少し内側に削ってもいいかもしれません)、大きな魚に追いかけられるシーンで背景が流れないのも気になります(背景と一緒に撮影してしまっているのなら、アフターエフェクトのロトスコープを使って分離してみてください)。水中で泳ぐ魚たちの動きは、よほど観察してアニメーションをつけたのでしょう、生き生きとしていて観ていてとても心地がいいです。