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『鳥は古巣に帰る』船田 真由

<あらすじ>

佐治羽は育ての親である祖母、佐治林子を感染症で亡くす。骨となって帰ってきた林子の死を当然受け入れられる訳もなく、林子の友人である米鰆光江にもその死を告げずにいた。料理人見習いとして働いていた店を辞めてからは、家に引きこもりがちの生活をしていたが、心配した光江から、森の里という養護老人ホームの募集チラシを貰う。森の里で支援員として働き始めた羽はある夜公園で、自治体主催の流しそうめんで出会った少年、鳩野陽介と再会する。陽介はいつ帰るかもわからぬ母親を待ちながら、何とか渡されたお金で一人生活をしていた。羽はそんな陽介の姿が、かつて幼い頃母親に捨てられた自分と重なり、陽介が気になる存在となる。森の里で開かれたクリスマス会を機に羽と陽介はお互い抱える事情を知らぬまま、ただ一緒に夜ご飯を食べる仲になっていく。そして、次第にお互い失っていた「家族」を相手に感じていくようになる。


本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。

 

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