<あらすじ>
中学三年生の白井健斗(15)は、毎日の通学で同じバスに乗り合わせる他校の生徒・浦野瑞希(15)に思いを寄せていた。白井はある日、物静かなクラスメート・十部英二(15)が瑞希と二人で仲睦まじく会話をしているところを目撃し、「瑞希の情報を仕入れるために十部と仲良くなろう」と思いつく。白井は、勉強を教えてもらうという名目で十部との関係性をつくり、十部という共通点と利用して瑞希に話しかけることに成功する。そんな白井の思惑とは裏腹に、十部は今までクラス内で浮いた存在だった分、白井が自分に話しかけてくれたことを素直に喜び、白井のことを本当の友達だと感じるようになっていた。
白井は毎日の通学や、十部と瑞希の共通の趣味であった地下アイドルの応援を通して瑞希との仲を深め、瑞希と恋人関係になる。その事情を知らない十部は、白井のことを唯一の親友のように感じ、白井に依存していくようになり、白井が他の誰かと仲良くしているとモヤモヤするようになっていた。そんなある日、十部はクラスメートの安達直哉(15)から、話の流れで白井が瑞希と付き合っていることを聞かされ、「白井が自分に近づいたのは瑞希と仲良くなれるように利用するためだった」と気づく。十部は白井に対し裏切り者だと思い込み、自分だけに注目してもらうために「僕の言うことを聞かないと瑞希がどうなるかわからないよ」と白井を脅し、白井を自分だけのものにしようとする。白井と十部の関係性を揺るがすものを排除するべく、クラスメートに危害を加えたり、白井が可愛がっていたウサギを殺すなど、白井自身の精神をも追い込んでいく。白井は瑞希を守るためにも十部に強く逆らうことが出来ず、クラスの中でも浮いた存在となっていく。
本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。
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