<あらすじ>
孤独を感じて過ごす高校二年生の十波藤太。そんな藤太に声をかけてくる変人、佐々風賢知。
藤太は明るく話しかけてくれる並川柊吾と友人になりたい一心で、犬を飼っていると嘘をついてしまう。また、祖母である十波花にも友人がいると嘘をつく。嘘を実現すべく、イマジナリーの犬と賢知を生み出して、嘘をつき始める藤太。
ある日、賢知の早弁により食中毒で腹痛を起こし、クラスメイトの小久保雄太に藤太の親が人殺しだから、藤太が毒を盛ったのだと噂される。
学校に居づらさを感じている藤太に、隣人の女が十歳の少年を押しつけて行方知らずに。賢知に少年を見せようと藤太たちは家に向かうが、家から少年が飛び出して走り去る。藤太は賢知を置いて、追いかけて行くと公園にたどり着く。そこで母親の十波佳代と再会するが、藤太は記憶を失っていて、佳代を追い払ってしまう。
藤太は賢知のいる家に戻る。そして佳代も家に訪ねて来る。賢知は佳代を藤太の母親かと聞くが藤太は否定し、少年を預けてきた女だと言う。しかし、賢知が隣は空き家だったことを明かす。
母親は七年前、暴力を振るっていた藤太の父親、香山晴夫を殺害した罪で刑務所に入っていたが、最近出所したという。
藤太は賢知のことをイマジナリーだと思っていたが、賢知はイマジナリーではなく、ずっと実在していたことが発覚。そして、隣人の女は母親である佳代の幻で、少年は過去の藤太の幻であったと判明するも、また少年が現われ、藤太は賢知を連れ少年を追いかけて公園へ。
少年は、藤太のトラウマとなっていた七年前の再現ごっこをしようと提案。再現ごっこによって、晴夫を殺害したのは自分で、佳代は自分を庇っていたのだと思い出す。混乱に陥る藤太に、賢知は過去のトラウマは忘れても良いんだよと言い放つ。藤太は、トラウマを超えなくても良いんだと、安堵し、一緒にトラウマにも目を向けて生きることを決意する。
学校に行くと、賢知を初めとして柊吾と龍が藤太の友達に。賢知がまた早弁によって腹痛を起こすが、四人で笑い合う。
本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。
ご感想はページ下部のコメント欄までお願いいたします。
Comments