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『僕の知らない中野さん』加地 菜々果

<あらすじ>

 駅のホームにいた熊坂 恒(21)はライブ会場で自分の彼女に暴言を吐いた中年男性を見つけると、水をかけ頭突きをし、振られた。

そんな熊坂は極端な言動と見た目のせいで友人は多くはないものの、親友、春位 太郎(21)と満足に学生生活を送っている。

 中野 蘭(21)は大学に友人といえる人がおらず、行動を共にするのみの同級生との日々に不満を感じていた。

 あるチケットをネットで探していた熊坂は、自身の通う各蕗大学購買部で行われる抽選の賞品になっていることを知る。購買部へと足を運ぶも、一つ前に抽選に参加していた蘭にチケットを当てられてしまう。諦めきれず食い下がる熊坂に、蘭は一緒に行かないかと声をかける。これをきっかけに、二人は企画展友達として交流しながら、蘭の提案で熊坂の外見を変身させていく。そんななかで、熊坂は蘭への恋心を持ち始めるが、気づかない。

 ある日、熊坂が応募した楽曲がコンテストで大賞を取る。ここで、一番に伝えたい人が春位ではなく、蘭であると気づき、恋を自覚する。まずは知ることからと蘭に質問を始めるが、距離を置かれてしまう。そこで蘭の親友である高田翠(21)が働くガールズバーに顔をだすも追い返される。恋に奔走する中で蘭の同級生らに蘭は好意を向けられると嫌いになる蛙化現象をもつと聞く。蛙化現象を独自に学ぶも、治すものと発言し、蘭との関係をさらに悪化させていく。

 熊坂の発言と、自分の恋心を蛙化現象によって気づいたことに落ち込む蘭のため、翠がガールズバーに熊坂、蘭を集める。熊坂は、蘭の蛙化現象は、自分の気持ちの否定だと叫ぶ。言い合いの中で、言葉にしないことは誰かを傷つけることでもあると気がついた蘭と蘭を知った熊坂。

 数ヶ月後、蘭と熊坂はお互いに距離を取り、歩み寄る。


 

本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。


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