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『影を踏む』西 玲央菜

<あらすじ>

 主人公・井坂真琴が通う高校では、生徒の上履きが盗まれる事件が頻発していた。ある朝、真琴のクラスメイトの君島沙耶の上履きが無くなっていた。真琴は、沙耶を含めた四人組で日々を過ごしているのにも関わらず、彼女の高圧的な態度が苦手だったため、何も声をかけられなかった。その後、四人組の中の檜山亜沙子、刈谷日和がやってきて、沙耶を慰めた。真琴はその輪の中に馴染めず、ひたすら愛想笑いで誤魔化し続けた。そんな鬱々とした日々を送っていた真琴だが、ある日、行きつけの洋菓子屋にお菓子を買いに行った際、謎の女性・久世祐希に出会う。美味しいものが好きという共通点で意気投合した二人は、名前も知らぬまま、毎週金曜日におすすめのお菓子を紹介し合う仲になった。一方学校では、真琴以外のグループメンバー全員が上履き盗難事件の被害者となり、「真琴が盗んだのではないか」と嫌疑をかけられてしまう。更にグループでの居心地が悪くなった真琴は、一層祐希との親交を深めていった。ただお菓子を紹介し合う仲ではなく、深い関係になりたかった真琴は、彼女に素性を尋ねるも、何も詮索しないでほしいと拒絶されてしまう。心の支えだった祐希との距離が遠のき打ちひしがれる最中、亜沙子が金曜日に私と出かけようと真琴を誘う。真琴の脳内には祐希がちらついたが、それを振り切るかのように亜沙子の誘いに乗ることにした。しかし彼女と出かけているときも祐希が忘れられず、亜沙子を置いて祐希の元へと駆ける。祐希と対面した真琴は、なぜ詮索してはいけないのかを尋ねる。すると感情が溢れた祐希は、自分の過去を吐露する。それを聞いた真琴も、自分が抱いている本心全てを祐希にぶつけ、祐希と本当の友人になることができる。その後真琴は、グループに対して愛想笑いで誤魔化すようなことはせず、自らの意思で行動するようになる。


 

本文は日藝博期間中、江古田校舎で読むことができます。


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